新潟県の企業向けAI支援が、事業者選定を経て実際の企業課題を扱う運営段階に入った。県は4月、AI活用推進ラボ業務の最優秀提案者にBSNアイネットを選定。その後、BSNアイネット、BSNウェーブ、Socialupsの共同企業体が事業を受託し、企業・自治体とAI開発者のマッチングや実証を行う体制を整えた。
背景には、AIに関心はあっても自社だけでは実装しにくい企業の存在がある。帝国データバンク新潟支店の2026年3月調査では、県内企業の29.6%が生成AIを業務で活用し、その85.1%が効果を感じていた。一方、課題のトップは「専門人材・ノウハウ不足」で48.2%だった。
この数字を重ねると、ラボの役割はAIの認知を広げることより、「何に使えばよいか」「誰と組めば実装できるか」が分からない企業を実証まで運ぶことにある。県の事業も、企業・自治体の課題とAI開発者を結びつける設計になっている。
ここから焦点になるのは、相談件数そのものではなく、その相談が実証に進み、本格導入につながるかだ。削減時間や売上、業務品質などの成果が出てくれば、県内企業のAI活用がツール利用から業務変革へ移っていることも見えてくる。